西浦および北浦のプランクトン群集の変化時期と気象·流域·湖内物理·水質環境における変化時期との関係性解析: 長期モニタリングデータのレジームシフト解析事例

摘要

近年、経済指標や気候変動の予測の分野において、時系列変動解析の適用が注目されており、その手法の発展も顕著である。今回は時系列変動解析手法のひとつであるレジームシフト解析を実施し、レジームがシフトしているか否かとその発生タイミングを検出した。水質や生物パラメータを含め、長期間の時系列データであれば、レジームシフトの起きる可能性は高く、そのタイミングが各パラメータ間で同期していれば因果関係が強いと考える根拠となる。湖沼環境ではレジームシフトが複数の系で見られることをScheffer and van Nes(2004)は報告している。例えば、1)底泥からのリン回帰、2)水草と植物プランクトンの優占、3)湖底堆積物の安定性、4)ラン藻の優占である。日本の湖沼環境の変動要因を解析する上でも、レジームシフト解析は有効と考えられる。今回、霞ヶ浦の長期モニタリングデータを対象に解析を行ったので報告する。