2018 年夏季のフェーン現象時におけるオゾンゾンデ観測

摘要

夏季の首都圏におけるO_3 高濃度化メカニズムには、局所的な気象特性が大きく関係する。そのメカニズムの解明には、観測および数値モデルに基づいた3 次元的な解析が重要となるが、鉛直方向に対する気象及びO3 濃度の観測データは限られているのが現状である。このような背景のもと、発表者らは環境研究総合推進費 (5-1601) の助成のもと、2016 年から2018 年の夏季において、関東沿岸部にてオゾンゾンデ観測を実施してきた。このうち、2018 年夏季は気候に恵まれ、埼玉県熊谷市にて日本最高気温である41.1 度が観測された7 月23 日にもオゾンゾンデ観測を実施するに至った。そこで本報では、2018 年夏季のオゾンゾンデ観測データ、並びに常時監視測定局データを用いて当該期間における高濃度O_3 事象を解析することを目的とした。