プラズモンフィルタを用いた磁気光学Kerr効果による高感度磁区観察

摘要

近年，次世代自動車の普及に伴い，駆動用モータに使用される永久磁石の需要が増加している．現在多用されているNd-Fe-B系磁石は高い保磁力を持つ磁石であるが，高温環境下では保磁力が大幅に低下するという欠点がある．この欠点を改善するために，重希土類元素であるDyが添加されている．しかしながら，Dyはレアメタル材料であるため，重希土類元素フリーで高保磁力化が可能な磁性材料が求められている．磁性体の磁気特性は，磁性体内部の磁区や磁壁などの磁気的微細構造に大きく依存することから，磁区のIn-Situ 観察は高保磁力メカニズム解明のための有効な手段である．