定常ウェーブレット変換を用いた不整脈を含むウェアラブル心電図信号における体動ノイズ除去

摘要

近年，少子高齢化や医師不足の問題に伴い，人体無線網(BAN: Body Area Network) の医療・ヘルスケア分野への応用が期待されている．応用例として心電図信号の常時モニタリングが挙げられ，自身の健康状態の把握や心疾患の早期発見に繋がる．心電図信号は主にP波，QRS 群，T 波で構成され，これらを検出することで心電図信号の異常を発見できる．しかし，心電図信号の常時モニタリングを行う際に問題となるのは，体動に起因するノイズ，いわゆる体動ノイズが重畳されることにより心電図信号が劣化することである．本研究室では，これまでにリアルタイムで体動ノイズを除去するために定常ウェーブレット変換を用いている．しかし，問題点としては心室期外収縮(PVC: Premature VentricularContraction) に代表される不整脈の検出が困難であることが挙げられる．そこで本研究では，PVC を検出するための新たなアルゴリズムを考案し，その有効性を示す．