海底熱水鉱床開発採鉱・揚鉱パイロット試験の結果概要

摘要

我が国は鉱物資源需要のほぼ全量を海外からの輸入に依存する中、日本近海に賦存する海底熱水鉱床やコバルトリッチクラスト等の海洋鉱物資源は、他国の動向に左右されない我が国固有の資源として期待されている．一方、深海という特殊な環境から技術や経済性、規制、環境等で課題も多く、民間企業が投資するにはリスクが高いため、現在は国が先導して開発に向けた取り組みを促進しており、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構（JOGMEC）は経済産業省からの委託を受けてその事業を展開している．本講演では、水深や含有金属、日本の排他的経済水域（EEZ）内の資源量確保への期待等から現在重点が置かれている海底熱水鉱床の開発に向けた最新の取り組みとして、平成29 年8～9 月に実施した採鉱・揚鉱パイロット試験の概要を紹介する．