CFRP材の極低温X線応力測定

摘要

繊維強化材料に発生する熱誘起型の残留応力は性能評価の上で重要であるが，X線応力測定法をCFRPなどに適用された例はほとhど報告されていない.その理由は，第一に高分子材料においてX線の回折線ピークが低角側に出現するためX線によるひずみ感度が減少すること，第2に低角に出現するピークを用いて従来の反射法で測定するには，測定精度の高い装置が必要であることなどがあげられる.前報において力ーボン繊維とポリアミド母材からなるCFRPのX線応力測定法による応力評価が可能であることが確認され，透過X線回折法を用いればパイプ状の形状にも適用可能であることが確認されている.本研究ではCFRPをクライオスタツト冷却装置を用いて極低温まで冷却し，極低温その場応力測定の可能性を探る.