X線法による非晶質ポリカーボネートの変形評価

摘要

自動車•航空機に代表される運輸•輸送産業をはじめとして，軽量化は各種産業界における高効率，省エネ，環境負荷低減に重要な役割を果すことが認識されている.例えば重量100kgの減少は，1km/Lの燃費改善につながるとされている.米国エネルギ一省(Department of Energy ：DOE)が「Vehicle Technologies Program」にまとめた自動車1台当たりの使用材料の割合によれば，2035年には普通鋼が大幅に減少し，高張力鋼をはじめとして軽量非鉄金属の利用が増加し，特にCFRPを含む樹脂の利用割合は20%に達することが予想され，燃費の向上，有害排気ガスや温室効果ガスの低減等，軽量化がもたらす効果は極めて顕著である.この観点から従来材料の代替材として，高分子材料は極めて有用であり，既に多くの分野で活用されているとともに，さらなる拡大が図られている.