太陽光発電大量導入時の同期発電機型分散電源による電力品質への貢献に関する研究

摘要

近年，化石燃料の枯渴や地球温暖化等の問題が世界的に危惧されており，その対策としてPV(Photovoltaic:太陽光発電)やWT(Wind Turbine:風力発電)のような自然エネルギー電源が注目されている。しかしながらこのような自然エネルギー電源は日毎の天候に出力が依存するため出力が不安定になり周波数や電圧に悪影響を及ぼすのみでなく，自然エネルギー電源の出力増加に伴う既存発電機の出力低下が系統全体の慣性力低下を及ぼすことも懸念されている。その一方で同期発電機型分散電源はインパータを介さず系統に接続されるため火力発電機や水力発電機のような集中電源に比べれば小さいものの慣性力を持ち，慣性力低下を抑制することが可能である。また集中電源とは異なり，ガスエンジンのような同期発電機型分散電源は容量が小さいものの，必要面積は集中電源に比べれば小さく、需要地近傍に複数台設置することも可能である。以上のことから系統の慣性力に貢献しつつも既存の集中電源の負担を減らすことが期待されている。