大容量風力発電システムにおける交流チョッパを用いた突入電流抑制装置

摘要

IRENA(International Renewable Energy Agency)は 2017年3月，再生可能エネルギーの導入に関するロー ドマップを策定し，2050年時点の再生可能エネルギーの 40%を電力に供給することを見込hでいる。また，世 界の風力発電システムの累積導入量は432,656 MWであ るが，文献（1)では電力向けの再生可能エネルギーの 中で風力発電を主要な発電電力源と見込hでいる。風力発 電の発電機として，メンテナンスの容易さなどからかご形 誘導機が多く用いられている。大容量の風力発電システム では，容量の異なる2台のかご形誘導機を接続し，風速 による切り替えを行う。しかしながら，かご形誘導機は励 磁源を持たないため，始動時に定格の約6倍の突入電流 が流れ，電力系統に瞬時電圧低下が生じる。瞬時電圧 低下は，電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライ ンにより，10%以下と規定されている。従来の突入電 流抑制法として，サイリスタを逆並列接続したソフトス タータが広く利用されている。ソフトスタータはサイ リスタの位相制御により，誘導機に印加する電圧を徐々に 上げることで突入電流を抑制するが,サイリスタのスイッ チングによる高調波電流が系統へ流出する課題がある。