散乱光の相対強度情報を用いた散乱体の形状推定

摘要

微粒子の形状を散乱光の相対強度から推定する処理の定 式化を行った.相対強度は基準点の強度とその他の観測点 の強度の比の値である.従来の絶対強度を用いる手法では 入射波の強度を別途求める必要があるが，本手法では散乱 光同士の強度比のみ得られれば良いので，測定を通して光 学系を組み替える必要がない.また，光学系を組み換える 前後でアラィメントがずれたり，入射波（光源）の強度が 変動したりすることによる誤差も防ぐことができる.位相 情報も不要なため，干渉計などの複雑な光学系を組む必要 がなく，入射波を試料に照射し，散乱光を強度計で測定す るだけの単純な光学系で形状を推定できる.