積雪寒冷地における鋼橋RC 床版の骨材劣化の特徴

摘要

積雪寒冷地では交通量や凍結防止剤の散布の有無に関わらず鋼橋RC 床版の劣化が進行している．その原因を究明するため実橋からコアを採取して詳細分析を行った．その結果，RC 床版における劣化の主たる原因はASR をはじめとする骨材劣化にあること，ASR によるひび割れの進展は水平方向に卓越する傾向があること，圧壊した砂利は粘土鉱物を含む堆積岩が多いこと，加熱アスファルト舗装の敷設によりセメントペーストや砂にひび割れを発生させること，コンクリート舗装は，中性化および凍害の影響を受けるとともにASR も発生していること，凍害による影響は床版下面のごく数mm の範囲に限定され，床版劣化の主たる原因とはならないこと等を明らかにした．