航空機監視応用システム（ASAS）と地上の連携による到着管理について

摘要

本稿では、空対地の連携による到着管理であるIM応用方式について説明した。ADS-B In を利用したASAS の応用方式であるFIM とFIM の地上のカウンターパートであるGIM の機能およびIM に期待される便益をふまえ、IM 研究開発の世界動向をまとめた。そして、IM の実用化に向けた国際基準策定の進捗状況とCARATS ロードマップでの位置づけを示した。アジアの経済成長をうけて、2035 年には航空交通の需要は現状（2015 年比較）の2.5 倍になると予測されており、より安全に、効率的に、かつ環境への負荷を低減する航空管制システムの実現が求められている。そのためには、ソフトウェア、ハードウェア、ヒューマンウェアなど多彩な要素を含hだ航空管制システムを動かしながら、適切なオートメーションを実現すること、そして世界中で足並みをそろえて国際基準を策定することが、この分野が目指すべき目標である。そこで、本研究では、IM 研究開発を継続し、国際基準の策定やCARATS 施策への貢献を目指したい。