亜音速航空機設計における翼構造重量推算手法の検討

摘要

有限要素法(FEM)モデルの最適設計手法を用いた航空機翼構造の重量推定手法について、設計プロセスを自動化するツール構築を行った。FEM モデルの構築や最適設計問題の設定、最適設計の分割実行のジョブ管理などを効率的に実行するツールを構築した。座屈強度検討に当たって、ベイ内を細分割したモデルによる座屈解析を用いずに、簡易的な手計算手法による座屈強度評価法をFEM モデル最適化の応力拘束条件として反映する事で、座屈強度を効率的に考慮する手法を示した。本ツールを用いて120 人クラスの民間亜音速旅客機形態において重量推算を実施。安全余裕の確認から、最適設計の妥当性を確認した。座屈強度を考慮する事で、考慮しない場合に比べて、重量が24％増加した。また、それは破壊モードが平板座屈を示す部材が主体的にもたらしている事を確認した。文献１で実施された経験的な重量推算法を用いた重量推定結果との比較を通じて、座屈強度基準を適用しないケースに比べて、適用したケースが文献1の検討結果と良い一致を示すことが分かった。