確率的最適化によるD-SEND#2 第1 回落下試験誘導制御則の再設計

摘要

宇宙航空研究開発機構（JAXA）は超音速飛行における技術課題の一つであるソニックブームの低減を目的として，2010 年にD-SEND プロジェクト（DSEND:Drop test for Simplified Evaluation of NonsymmetricallyDistributed sonic boom）を立ち上げ，その第1 回落下試験を2013 年8 月16 日にスウェーデン王国のエスレンジ実験場にて実施した．ところが成層圏気球から機体を分離して62 秒後の超音速領域での引き起こし中にダッチロール運動が発散したため，目標となるブーム計測条件を達成することができなかった．姿勢制御に失敗した原因を調査した結果，制御則の安定余裕が不足していたために空力特性の誤差が影響して制御則を含めた機体特性が不安定となっていたことが判明した．