次世代SBAS のプロトタイプを用いた初期的評価

摘要

航空機の航法においてはGPS を用いた衛星航法が良く用いられるが，GPS の単独測位では完全性（integrity：インテグリティ）が不足していることから何かしらの補強が必要とされている． ICAO（International Civil Aviation Organization：国際民間航空機関）は，人工衛星を経由して広域に補強情報を提供する補強システムとして，SBAS（satellite-basedaugmentation system）を規格化している1)．現在，L1周波数を用いたSBAS として日本ではMSAS が運用され航空用途以外にも広く利用されているが，電離圏活動の活発な南方においては性能が劣化しているのが課題であった．このような問題を解決し，更なる精度及びインテグリティ向上を目指すため，SBAS プロバイダによるSBAS IWG（Interoperability WorkingGroup）会合では，L1 及びL5 の2 周波を利用したマルチコア衛星対応のDFMC（dual-frequency multiconstellation）SBAS を検討してきたところである2)．