全景映像の適応的半透明ブレンディングによる視野狭窄の緩和と視野特性の評価

摘要

現在，世界には視覚障がいをもつ患者が2億8,500万人ほどおリ，そのなかに視野障がいをもつ患者が，緑内障に限定しても，6,000万人程度含まれるといわれている.視野障がいの一つに視野狭窄という症状があり，その症状をもつ患者のための視覚支援手法の研究はこれまでに多く行われてきたが，その多くが視覚情報以外の情報の提示により支援するものであり，視覚情報の提示を工夫して直接支援する研究は少ない.本稿では，視野狭窄をもつ患者に対して，計算処理を施した外界シーンを呈示することによる視覚支援手法を提案し，その有効性の評価結果を報告する.また，この実験に付随する問題である，視野特性についても併せて報告する.