粘着を用いた夕ツチサーフェスのための粘着性変化モジユールの開発

摘要

近年，スマートフォンやタブレットなどのタツチサーフェスを搭載したデバイスが広く普及している.これらのタツチサーフェスは指による直感的な操作が可能であるが，これらの多くは表面がガラス平面で構成され，情報空間と現実空間が二次元平面で隔絶されているため，物体に実際に触れている感覚を提示できない.これを解決するために，ディスプレイ表面の形状変化や温度変化を用いて触覚情報を提示するディスプレイの研究がなされている.形状変化により情報を提示するディスプレイとしてァクチユエータを上下に動作させて三次元形状を制御する手法が提案されている.スクリーンとプロジェクタを用いて映像の投影も行うため，ユーザは提示された情報との視覚と触覚による直感的なインタラクションが可能となる.また，押す，引くなどの入力を検知してフィードバックを与えることも可能である.温度変化を用いたディスプレイとしてはKushiyamaらの提案する"Thermo-Paradox"がある. Thermo-Paradoxは温度制御を備えたスクリーンに映像を投影することで，視覚情報に冷たさや温かさなどの温度情報を重畳することができるディスプレイである.手のひらに局所的に温度の高低パターンを提示することで，ユーザに温度錯覚を引き起こし，表示している物体の湿り具合や隆起，へこみなどを表現することもできる.本研究では，温度によって粘着力が変化するシートを利用し，温度を制御することによって，ユーザに粘着力を利用した触覚情報を提示するタツチサーフェスを実装する.