散逸構造制御に基づいた透明な超撥水表面の構築

摘要

熱力学的平衡論をベースとした分子設計により，平均粒 径分布を異にする二種類のフッ素系粒子を用いて，それら の混合比および添加剤や溶媒の配合について種々検討した結果，塗布といった簡便な製造工程で超撥水性（160°以上の 接触角）を示すことのできる表面構造とその製造方法を見 出した.また，非平衡論的な分子設計を施すことにより， 高い撥水性を保持したまま表面の透明性を向上させること も可能となった.超撥水性が示す現象には，表面上をスムーズに転がる水 滴や落下した水滴が跳ね返される現象などがある.すなわ ち，超撥水性が提供する機能により製品のユーザビリティ が大きく変化ものとの期待も高まる.透明性を持つ超撥水 材の開発により，さらなるユーザビリティの向上に寄与し ていきたい.