認知課題における集中力の因子と帯域別脳波の関係

摘要

脳波に関する研究は，アルツハイマー型認知症の診断/早期発見，ALS患者等のBCI，注意力の判定，ストレスの計測，感情の推定など様々な分野で活用されている.そのうち集中力に関する従来研究では，集中力を誘発する方法として迷路課題や単純連続計算課題などが用いられ，「集中力している/していない」というニ値的な指標のもとに脳波の測定結果を分類している.集中力を発揮しやすい環境や条件が脳波データから判明すれば，作業の効率性や生産性につながる.しかし，それぞれの研究における集中力の定義が異なり，集中力に関係する脳波の結果は様々であるため，知見が十分に得られていない.