高性能化が進むディジタル制御スイッチング電源の最新技術動向

摘要

スマートフォン，パソコンおよびインターネット接続家電等の情報通信機器は様々な社会活動において欠かせないものとなっており，その数は急速に増加している。図1に示すように，情報通信機器の数は2011年の104億個から10年間で5.1倍の530億個に上る。また，同様にインターネット利用者数も増加の一途をたどっている。図2に示すようにインターネットの利用者数は2013年で9610万人に上り，人口普及率は79.1％である。このような情報通信分野の急速な発展に伴い国内のデータ流通量も増えている。図3は国内のデータ流通量の推移を示している。2014年にはデータ量は14.5EB(エクサバイト，10~18パイト)となっており，2005年と比較して9.1倍の量である。このデータの流通量に比例するように情報通信分野における消费電力も大幅に増加している。図4に示す日本および世界における情報通信分野の電力消費予測から日本および世界のいずれにおいても電力消費量が増加していることがわかる。2025年には2006年度比で電力消費量がそれぞれ5.2倍および9.4倍になると予想されている。このため情報通信の中核をなすデータセンタでの省エネルギー化は非常に重要な課題として挙げられている。