エネルギー蓄積要素を用いた太陽光発電システムの発電電力量改善の検討

摘要

本稿では，既存のシステムに対して発電電力量を改善するためにPCSと太陽光電池モジュールの間に蓄電デバイスを追加し直流リンクの電流を検出し電力の低下を検出することで発電電力量低下によるPCSの停止を回避する検討を行った。PV模擬電源とPCSを使用した実機検討では提案構成蓄電デバイス側のチョッパ回路のみで直流リンクの電流の低下を補償することにより，電力が低下した時に13秒間のかかる再起動の回避が可能であることが確認できた。今回使用したPCSは500W未満が600秒以上続くと停止動作になる。使用した日射データで500W未満が600秒以上続く期間は1120秒間ある。この条件では1120-600＝520秒間発電できない期間が発生することになる。そこで本稿で提案するシステムを入れることでその期間も発電を継続す ることが可能となり約60Whの発電電力量の改善が可能であることが確認できた。