ヘリコン静電加速機HEST におけるイオン加速

摘要

化学推進と比較して，その高い排気速度により高ペイロード比を達成可能な電気推進機は，従来の深宇宙探査のみならず地球近傍での軌道遷移にも活躍の場を広げている1)．しかしながら電気推進機による軌道遷移時間は化学推進を用いた場合に対して数百倍の時間が必要であり，軌道遷移時間の短縮が実用化に向けた課題となっている．軌道遷移時間は推力密度に反比例し，推力密度はプラズマ密度と排気速度との積である．静電加速型電気推進の場合，排気速度はイオンの質量と加速電圧とで決定されることから，プラズマ密度の増加が重要である．そのため高密度プラズマが生成可能なヘリコン波放電を活用した電気推進機開発が盛hに行われている2-7)．