離島系統における蓄電池を用いた需給運用の適用性検証

摘要

離島系統の電源は内燃力による火力発電が主体であり,燃料には高価格でC02排出量の多い重油が使われるため,燃料消費量の削減に対するエーズが高い。太陽光発電(PV)や風力発電(WT)などの再生可能エネルギー(再エネ)の導入は,燃料消費量の削滅に効果がある一方,発電出力の不確実性に対して適切な対策を講じる必要がある。再エネ出力の不確実性に対しては系統側で適切な予備力を確保して対応することになるが,火力発電の確保予備力の増加は経済性の低下につながる。そのため,代替策として蓄電池の導入が検討されている。蓄電池を供給力として需給運用に活用し,再エネ出力の予測誤差や変動を補償することで,柔軟かつ経済的な需給運用が可能となると考えられる。しかしながら,蓄電池を需給運用計画に織り込hだ場合に需給運用コストをどの程度削減できるか,蓄電池の運用方式によってコスト削減効果にどのような違いが現れるかは明らかでない。今後,蓄電池の効率的利用を進めていく上で,需給運用における蓄電池の導入効果を定量的に評価しておくことは重要である。