ESD試験における筋電義手の誤動作要因の検討及び無線制御によるイミュニティ性能の向上

摘要

本研究では，筆者らが開発されたワイヤレス筋電義手の有用性を示すことを目的として，IEC61000-4-2に準拠したイミュニティ試験により，筋電義手を有線制御と無線制御時における誤動作率の比較を行なった.また，静電気放電により発生するノイズの混入箇所の特定，および電界パルスの諸パラメータと筋電義手の誤動作率との相関関係の検討を行なった.その結果，筋電義手の誤動作率は有線制御時よりも無線制御時の方が低くなることがわかり，これは実験により特定したノイズ混入箇所である電極-筋電義手間のケーブルを無線化したこと，およびインパルス性のノイズに強い変調方式を採用したためだと明らかにした.これによりワイヤレス筋電義手の有用性を示すことができた.