新潟大学工学部附属工学力教育センターにおける「ものづくり教育」

摘要

新潟大学附属工学力教育センターの組織，設立経緯，歴 史などを紹介した後，これまでの主な取り組みについて概 説した。また特に，ものづくり教育を主体とする「創造プロジェクト」を取り上げ，代表的な2つのプロジェクト，「口 ボコンプロジェクト」と「学生フォーミュラ」について詳 細に説明した。「創造プロジュクト」は，学生が主体となり， 精力的に活動を進める中で，旺盛な研究開発意欲の涵養， 工学的に高度な知識の吸収，グループワークを進めるうえ でのリーダ一シップゃコミュニケ一ション能力の向上，プ レゼンテ一ション能力のブラッシュアップなどが図られて いると感じている。また，「創造プロジェクト」参加学生は， 新潟大学主催のインターンシップや地域のボランティア活 動にも積極的に参加する傾向があり，これらの活動におい て顕著な成果を挙げることで，人間的な幅をも広げている。 15年にわたるセンターの活動は，これまでの工学教育の 変革に的確に対応してきているものと考えられるが，今後 さらにスピ一ドを增して変革を要求されるであろう新時代 の工学教育に対しては，これまでの取り組みをベースとし つつ，新たな視点からの取り組みを考えていく必要がある と思われる。