ウェザールーティングによる最適航路について

摘要

地球上の2 点を結ぶ航路のうち、地形などの制約がなければその最短距離の航路は2 点を通る大圏の上に存在する．ただし,気象・海象の影響を受ける船舶がこの大圏上を航行しても必ずしも安全で効率的な航路とならない．安全で効率的な航海の為には，船舶の性能・気象海象条件によって荒天域を避ける最適航路を選定する必要がある．最適航路は船によって異なるが、荒天域を避ける航路を選ぶことは通常の運航でも実施されており，経済性の他，波を長時間受けることによる船体損傷を防ぐことで安全性も向上させることとなる．実際の運航においてもしばしば航程が長くなっても荒天域を避ける航路を航行している．自然環境から最も安全で経済的な航路を選定する技術をウェザールーティングと呼ばれているが，このウェザールーティングで最適解を得る方法の一つに目的地までの最短時間航路を求める等時間曲線法がある．