沈船からの残留燃料油流出防止システムの適用に関する予備的FSA

摘要

船舶から海洋への油の流出事故が発生した場合、海洋環境の汚染だけでなく、経済的な損失や漁業への悪影響等が発生する可能性がある。特に沈船からの残留燃料油の流出事故は、水中作業の困難さのため対策を講じることが難しく、長期的な油流出が発生し、海洋環境を汚染し続ける可能性がある。したがって、沈船からの残留燃料油流出防止策を講じることは重要であると考えられる。防止策としては、残留燃料油の流出の「未然防止」と「早期回収」が考えられる。「未然防止」については、沈没時に燃料油タンクに繋がる空気管を自動的に塞ぐ機能等を有するシステム（残留燃料油流出防止システム）の導入、「早期回収」については、油回収ホースの接続部を空気管に設ける等により回収作業の簡素化を図るシステム（残留燃料油回収作業簡素化システム）の導入が考えられる。