顧客データ系列の周期的成分を特徴量とする動態分析方式の検討

摘要

我が国が長期にわたるデフレから脱却するうえで消費喚起は重要なテーマであり、消費者データの戦略的な活用による消費市場の開拓が鍵となっている。企業にとって、国内外の消費者の嗜好をはっきり捉え、ニーズを踏まえた商品・開発を進めるために、顧客に関するデータの戦略的な活用の推進が求められている[1]。インフラ分野においても顧客データの戦略的活用は、電力分野、交通分野、通信分野などでの期待が高まっている。近年、こうした分野の顧客データはセンシング技術の高度化、スマートフォンやスマートメーターなどのセンシングデバイスの普及率向上により、従来と比較してより詳細かつ連続的なデータの取得が可能となっている。これに伴い事業者は大量の顧客データを保有することとなり、顧客データの有効活用のニーズは以前に増して高まっている。