回転機用マイカ絶縁層中における電気トリーのX線観察: ナノフィラー分散によるトリー進展抑制に向けた予備的検討

摘要

回転機用マイカ絶縁層を模擬したサンプルを作製した。PDIVは平均1.88 kV_(rms),絶縁破壊電圧は52.2 kV_(rms)と大きな差が見られた。回転機マイカ絶縁システムを模擬したサンプルで、その絶縁破壊経路を、X線CTで初めて非破壊観察できた。結果、電気トリーは針先端から横方向（マイカ絶縁層に対して水平方向）に進展し、マイカ絶縁層を抜けエポキシ樹脂のみとなった所から底面（接地電極）に向かって進展することが明らかになった。マイカ絶縁システムは、電気トリー破壊痕が進展しやすい弱点部分、すなわちマイカテープ層間を強化することで、その絶縁性能を高く向上させ得る可能性がある事が明確になった。