家庭用エアコン空調時の気流環境と消費電力の同時計算ツールの開発

摘要

住宅におけるエアコン空調の省エネを検討する場合、居室者の温熱快適性に十分に配慮する必要がある。当所では、省エネと温熱快適性の両立を合理的に検討するため、エアコン空調時の温熱環境と電力消費を模擬するツールの開発(質点計算ツールCADIEE[1]および気流計算(質点－気流連成)ツールCADIEE-Airflow[2,3])を進めてきた。一方、エアコンの空調時の電力消費を模擬するツールとして、エアコン熱源特性モデルを開発し[4,5,6],これをCADIEEに組み込み、立ち上がりを含むエアコン空調時の室内代表点の温熱環境と消費電力を精度よく模擬できることを検証した[7]。しかし、質点計算では温熱快適性に強く影響を及ぼす上下方向の気温や気流の分布までは評価できない。そこで本報告では、エアコン熱源特性モデルをCADIEE-Airflowに組み込み、エアコン空調時の気流環境と電力消費の計算精度を実測対比により検証する。