高度広帯域衛星デジタル放送受信用光送受信機の特性評価

摘要

8Kスーパーハイビジョンなどの放送サービスを提供するためのメディアとして，12GHz帯(11.7〜12.75GHz)の右旋•左旋円偏波による衛星放送が検討されている.衛星放送の受信では，一般的に，12GHz帯の放送波を受信アンテナでIF周波数に変換し，1本の同軸ケーブルを用いて宅内に配信する.現在，IF周波数として1〜2GHz帯(l,032〜2,071MHz)が用いられているが，ARIB標準規格STD-B63(以下，STD-B63)において，左旋円偏波用IF周波数として2〜3GHz帯(2,224〜3,224MHz)が規定された.加えて，STD-B63では，高い周波数を低損失で伝送可能な，光ファイバによるIF伝送(以下，光配信方式)についても規定している.光配信方式では光送送信機と光受信機を利用するため，光配信システムの持つ歪みが，配信するIF信号に与える影響について検討する必要がある.そこで，STD-B63準拠の光送受信機を試作し特性を評価した.右旋•左旋円偏波の同時利用を想定し，48波のIF信号で変調した宅内光配信の模擬実験システムを用いて，高度広帯城衛星デジタル放送信号のビット誤り率と，光送受信機の相互変調歪みによる干渉電力とを評価し，所要C/N劣化を検討した.