可変構造系を利用した除振装置の剛性削除

摘要

半導体露光装置などの精密位置決めでは，設置床から受ける外乱振動によって位置決め精度に大きく影響を受ける.そのため，除振装置を搭載して振動を除去することで精度の低下を防いでいる.近年，半導体の集積化のために半導体露光装置の加工精度は向上して，除振装置に対する振動許容値がさらに厳しいものとなっている.除振性能は，外乱振動の周波数によって変化する.そのため，床から除振装置上への振動伝達率を表す除振率の周波数特性に着目して性能向上が図られている.除振率は，固有振動数より高域で減衰する.一方，低域では減衰せずに除振性能は得られない.この特性から，固有振動数を低下させることで，より広い帯城の振動を減衰させる低固有値化と呼ばれる動向が主流となっている.