D級電力増幅回路を用いてE級電力増幅回路のピーク電圧を低減したED級電力増幅回路の提案

摘要

本稿では、E級PAにD級PAを用いることにより、スイッチにかかるピーク電圧を低減する手法を提案した。従来のD級PAでは高周波において電力効率が悪いという問題があった。また従来のE級PAでは常に電源電圧に接続されているためスイッチには電源電圧の3.6倍の電圧がかかってしまうという問題があった。提案するED級PAではE級PAにD級PAを用いて半周期だけE級PAを電源から切り離すことでスイッチにかかる電圧をE級PAの半分にすることが可能である。また出力の負荷抵抗をD級PAより大きくなるようED級PAを設計することでE級PAより電力効率は劣化してしまうが、D級PAより高い電力効率を得ることが可能となる。D級PA、E級PA、提案回路で電力効率、スイッチにかかるピーク電圧を比較するためにシミュレーションを行った。シミュレーションの結果、提案回路はE級PAよりピーク電圧を低減でき、またD級PAより高い電力効率を得ることを確認できた。