P2P電力取引東富士実証事業所エージェントの開発

摘要

本稿はP2P電力取引東富士実証において行った開発•検証のうち、事業所の電力取引に関する詳細を記載する。電気自動車を活用したP2P電力取引の研究として、電気自動車の充放電のランダム性と不確実性を考慮し、ダイナミックプライシングに基づくシミュレーション実験を行ったもの(引用文献(1)や、電気自動車ユーザの充電行動を考慮しつつ、グリッドネットワークにおける電力変動レベルと電気自動車ユーザの充電コストを最小化するような充放電アルゴリズムの研究(引用文献(2))、EVドライバーの運転•充電行動に基づく優先順位付けランキングアルゴリズムによる、REの利用率を最大化する研究(引用文献(3))が挙げられるが、電気自動車の取引相手としての事業所に注目した研究は少ない。本研究は、PHEVや家庭の挙動を考慮し、昼間の家庭の需要を吸収し、かつ、事業所に駐車しているPHEVへ電力を供給するような取引を行う事業所エージェント(Office Agent)を開発することを目的とする。また、事業所エージェントにおいては、事業所が系統から購入する電力のピークを削減する仕組みを開発する。