多列機械継手の有限要素解析に基づくスマートボルトによるボルト緩みの検出可能性

摘要

航空機は，重量の軽減を目的として，比強度と比剛性に優れた複合材と金属の接合が多用されている.そこで，複合材/金属機械継手部の力学的挙動や損傷をモニタリングする方法として，ボルトに光ファイバセンサを埋め込hだ「スマートボルト」を用いた方法が提案された.これまで，このスマートボルトを単列あるいは多列の複合材/金属機械継手に適用し，その出力と継手の引張り荷重の関係に現れる線形領域の傾きの変化によって，複合材の初期損傷やボルト欠損の検出が可能であることを示した.本研究では，碁盤目および千鳥状に配列した機械継手の締結ボルトのうち1本を緩めた状態を模擬した有限要素解析を行った.その結果をもとに，緩めたボルトの近傍に配置されたスマートボルトの軸ひずみを調査し，その変化によるボルト緩みの検出可能性について検討を試みた.