低強度めねじ/高強度ボルト締結体の強度と軸力低下

摘要

航空機や宇宙機はもちろh，橋梁やトンネル，建築物，家電製品に至るまで，ボルトによる締結体は多くのところで使われている.衛星構造では，軽量化のためにアルミ合金などの低強度めねじに高強度ボルトを組み合わせている例がある. しかし，ボルト締結体は単純な構成ながらその力学的挙動は複雑であり，設計に必要な資料は十分とは言えない. おねじとめねじをはめ合わせ軸力を負荷した場合，弾性計算によれば応力は入口付近に集中するため，強度ははめあい長さに比例しない結果となる.一方で塑性変形まで考えれば降伏応力により応力均一化が起こりはめあい長さに強度が比例する可能性がある.但し，この場合ねじ山が塑性変形しているため除荷後に軸力低下が生じることが予想、される.