切羽前方の地山評価を目的としたトンネル天端傾斜計測システムの開発と運用

摘要

著者らは，トンネルの切羽直近の天端部に高精度小型傾斜計を設置し，トンネルの掘削進行に伴って生じる微小な傾きから前方の地山予測を行う技術の開発を進めている．これまでに，切羽前方の地山に変化（硬化?軟化）を，5～20m程度手前から予測できることを現場計測と数値解析検討から確認している．開発したトンネル天端傾斜計は細径化によってロックボルトと同径の孔に設置可能であり，設置作業による施工サイクルへの影響も低減している．本報では，開発した傾斜計の普及機の特徴と仕様について述べるとともに，山岳トンネル現場で運用を行った結果について考察する．