スマートワークプレイスの開発:その3： 無線センサネットワークによる室内環境モニタリング

摘要

近年，センサネットワークという概念・技術が幅広い分野で注目を集めている．これは「用途に応じた各種センサ」，「センシングしたデータの処理を行う演算装置」，「処理結果を送受信する通信機能」の3要素を備えた小型かつ安価な端末(センサノード)を多数ネットワーク化し空間に配置することで，その空間の状況を認識しようという試みである．昨今のセンサ・通信デバイスの小型・低コスト化によって，今後このセンサネットワーク技術の様々な分野への応用が広がると考えられており，これまでにも筆者のうちの一人は構造分野への応用を通じてこの技術の有用性を確認してきた．今回，筆者らは(その1)で概要を示したスマートワークプレイスを構成する一要素として，無線センサネットワークによる高密度室内環境モニタリングシステムを構築し，以下の3点を目的とした実証的な研究を行っている．