既存木造住宅の外付け耐震補強工法に関する実験的研究（その１０:フレーム補強工法の実験結果の考察）

摘要

本報では、既報の実験結果について検討を行う。既報の実験結果により、すべての試験体は鉄骨フレーム柱の降伏後に最大耐力に達することが確認されている。そこで、試験体の降伏耐力の実験値と計算値の関係について検討を行う。降伏耐力の実験値は、鉄骨フレーム柱のすべての箇所の柱頭・柱脚部に貼付した歪ゲージの値が降伏歪に到達した荷重とし、計算値は柱の両端を固定と仮定して、その曲げ耐力から算出した値とした。降伏耐力の実験値と計算値を表１に示す。その結果、試験体WP18-1F55の値が若干小さいもののその差は小さく、実験値と計算値は概ね一致する結果を得た。