垂直交換バイ了スを示すPt/Co/α-Cr_2O_3薄膜の軟X線MCD測定

摘要

α-Cr_2O_3は，コランダム構造を有する絶縁性反強磁性体であり,結晶中でCrスピンはc軸に平行に配列す る.α-Cr_2O_3は，結晶構造•スピン配列に起因して，電気磁気効果を示すことが示されており，新規スピン トロニタス材料として注目されつつある.最近，我々は，α-Cr_2O_3(0001)薄膜を反強磁性層に用いた Pt/Co/α-Cr_2O_3垂直磁化膜において，0.3-0.4 erg/cm~2の高い垂直交換バイアスを発現できることを示した.し かしながら，高い垂直交換バイアスの発現メカニズム，界面での補償'非補償Crスピンの影響など，界面磁 性の詳細については不明である.本研究では，軟X線磁気円二色性（Magnetic Circular Dichroism: MCD)を用いて，Pt/Co/α-Cr_2O_3垂直交換バイアス薄膜の界面スピン状態について検討した.