地域産スギ•ヒノキ異樹種混合集成材の開発 その1 FJラミナの強度と曲げヤング率の関係

摘要

地域産材の活用は適切な森林管理や地域雇用の促進につながるため，県内の人工林の大半を占めるスギおよびヒノキの有効活用が望まれる.このような状況は全国的に同様であり，スギやヒノキの異なる樹種特性を考慮し両者の特徴を活かした建材，すなわち異樹種混合集成材の開発が進められている.本研究では，愛知県産のスギおよびヒノキ材の有効活用策として，外層部にヒノキ,内層部にスギを配置した異樹種混合集成材の開発を試みた.すなわち，県産材の強度分布を把握した上で，単一樹種では利用されにくい強度域に焦点を当て，これらを積極的に使用したラミナ構成の集成材を検討した.開発では，森田らが報告した，JASの仕様規定の構成によらない方法を用いた.本報では，愛知県産スギおよびヒノキ材ラミナの強度分布を把握するため，それぞれのフィンガージョイントラミナの各種強度性能を調べた.