外断熱建物における躯体蓄熱利用放射システムに関する研究(第5報）年間エネルギー消費傾向及び熱収支の分析

摘要

BEMSデータを用いて、2017年5月?2018年4月までの運用開始初年の熱源システム及び建物全体のエネルギー性能及び室の熱収支に関する分析を行った。建物運用上の特徴として24時間エネルギー需要があるのに対して、一般的なオフイスよりもエネルギー消費原単位が小さい運用を実現していることから、TABSを採用することで省エネルギーの効果が得られていることを確認した。また、システム熱収支と室内熱収支を確認することにより、設計時と実運用の差異が生じている原因を推定することが可能であり、改善点が明らかとなった。今後は、明らかとなった改善点を運用に反映し、分析を継続することにより快適性と省エネルギーの向上を図る予定である。