インテックス大阪(展示場)におけるサーマルグリッドの適用と効果検証(第1報)実証計画概要

摘要

2011年の東日本大震災と原子力発電所の事故を契機に，安定したエネルギーの確保や災害対応並びに温室効果ガスの削減の観点から，自立分散型エネルギーシステムを導入した地域づくりが重要となっている。地域における自立分散型エネルギー融通を実現する場合，電力を中心とした例はスマートグリツドとしての実証事例も多く，昨今の電力自由化の流れもあり発展の動きが見られる。しかしながら地域での熱エネルギーを有効に活用し，熱を効率的に空調や給湯に用いる重要なインフラである，地域冷暖房については，なかなか具体的な展開が進まない。ある程度の再開発など新設の街区においては検討されているが，既存街区の熱の融通については熱供給が公共インフラとしてなかなか認められないことも一因であるが，非常に多額の投資を必要とする熱供給グリッドに公共も民間においてもインフラ投資が進まないことが主たる要因と思われる。