等級の異なる試験住宅における冷房間欠運転時のルームエアコンの運転挙動に関する試験

摘要

エアコンは照明機器やテレビ等の家電機器と異なり、一時的な運転の停止(こまめな停止)が必ずしも省エネ·節電とならない場合がある。これは、エアコン停止時に室外から流入した熱負荷を後から処理するため、必ずしも熱処理量の低減に結びつかないこと、また再起動時には高負荷率での運転となるが、負荷率が高い場合、冷媒の蒸発と凝縮温度の差が大きくなり、結果としてエアコンのCOPが悪くなるためである。著者らはこれまでに、シミュレーションによって、住宅の断熱性能や外気温が異なる複数ケースを対象として連続·間欠運転を行うことによる消費電力、室温への影響の評価を行い、その結果、等級·外気温によらず、間欠運転(こまめな停止)よりも連続運転の方が好ましいという結果が得られた。本報では、断熱性能の異なる模擬住宅を用いて、冷房運転時におけるエアコンの間欠運転の挙動について実験による検討を行う。