再生可能エネルギーを活用した建築設備改修に関する研究(第11報) 再生可能エネルギー利用型空調システムの導入効果と年間エネルギー収支

摘要

2009年度のZEB化に向けた改修から,新たな省エネルギーシステムや制御手法の導入,また,継続的な運用改善を行ってきたことにより,2013年度,建物全体でオンサイトの太陽光発電40kWの発電量が消費電力量を大幅に上回り,郊外型の低層建物のZEBが達成できた。再生可能エネルギーである地下水や太陽熱を潜熱顕熱分離空調に利用したコンプレッサーレスの空調システムの効果により大幅な省エネルギーを実現した。また,居住者に対応した天井照明の配置変更と屋外照度や人感センサを併用した照明制御によるエネルギー削減を実施したことにより,2013年の1次エネルギー換算値は321MJ/m~2?年と,一般の事務所ビルの1次エネルギー換算値と比較して,大幅な省エネルギーとなっている。今後は,照明?空調のゾーン制御の確立を目指すなど,導入した要素技術の更なるレベルアップとコスト削減を図る予定である。