居住者満足感に基づく変動空調制御技術の開発（第1報）室温変化に対する居住者の申告特性と作業効率の分析

摘要

本研究では、省エネルギー性と知的生産性の両立に向け、居住者の要望申告に基づく変動空調制御に関して基礎的な知見を得るために温熱環境実験室における被験者実験を実施した。その結果、次のような知見が得られた。（1）28°C一定という温熱環境では要望申告をしても不満が継続するが、慣れも見られる。（2）居住者の空調設定への要望申告は、必ずしも温熱環境に不満を感じているときに行われているわけではない。（3）室温を上昇させるとき、室温をより遅く上昇させることで、居住者の不満を抑制した変動空調制御が可能であると言える。（4）室温を一定に保ったケースに対して室温を変動させたケースにおいて、時間の経過に伴う作業効率の低下が抑制された。