PLC進化の胎動－これからの役割と最新応用事例：ベンダの新たな開発視点および現場適応技術－PLCの情報発信機能によって変貌する監視·制御システムの形態

摘要

PLCは，あらゆる装置·設備に組み込まれてその制御をつかさどって来たが，近年は高機能化·大容量化が進み，制御の高度化はもちろん，生産管理やデータ収集·遠隔監視といった情報処理系の役割を担うケースが増えている。 急速に普及したパソコンと連携して，生産·操業の管理·監視をハイコストパフォーマンスで実現するシステムが普及した。 特に遠隔監視などの用途では，PLC側で警報処理などのデータ処理やデータ保存機能が求められる。 一方で，長期にわたる保守性や信頼性の面でパソコンに内在するWindowsにまつわる問題が顕在化しており，信頼性の面でパソコンに依存しないシステム形態が求められている。 このような背景から，PLCのデータ処理機能を発展させて，情報発信機能を持たせることにより，汎用ネットワークを活用したパソコンに依存しないシステムが提案されている。 本稿では，当社の「STARDOM」を例に，PLCに情報発信機能を持たせることによって実現されるアプリケーションをいくつか紹介すると共に，そういったアプリケーションを効率よく構築するための仕組みについても解説する。