伝統木造建築の耐震性能向上のための改修補強法の研究: その4. ダブルスキン耐震小壁の提案

摘要

社寺建築の軸部の貫と桁の間にある小壁は落し板壁になっていることが多い。したがって地震時水平力に対しては柱と貫及び桁による半剛接構造(貫構造)として抵抗する。また柱径が大きい場合は柱復元力も水平力抵抗要素として機能する。地震時の保有耐力が不足する場合は小壁をせh断抵抗要素にすることにより耐震性能は向上する。本研究は、建物の解体を行わないでダブルスキン小壁を軸部に組み込み、その小壁にせh断伝達能力を付与して耐震性能を向上させる方法の提案である。