偏差係数を用いた地震による建築物の中間層損傷現象の検討:異なる耐力低減モデルによる検討

摘要

①原モデルのように塑性率がほぼ均等な場合には，偏差係数法の適用が可能である。②中間層の耐力を低減させた耐力低減モデルの塑性率においては，耐力低減率の大きい場合（70～50%モデル）や，耐力低減層でも耐力低減層の中間層（６層，７層）では，偏差係数法の適用が考えられる。しかし，耐力低減層の境界（５層，８層）では，特に塑性化が急激に増大する傾向がある。また，耐力低減率の小さい場合（90～80%モデル）への適用は困難であり，少しの耐力の低減が急激な塑性率の増加をもたらす傾向がある。③中間層崩壊を伴う応答の解明にはさらに多くの解析例を積み重ねて検討する必要がある。