内層に低ヤング係数ラミナを用いたスギ集成材のクリープ（その１ 曲げクリープ）

摘要

2007 年の構造用集成材の日本農林規格(JAS)改正において、L30 やL40 のような極めてヤング係数の低いラミナを内層に用いた新しい構造用集成材が正式に認められることとなった。これまでの各方面での精力的なデータ蓄積1)が実を結ぶ形となり、まさにスギの利用拡大にとって、ある種の転換期を迎えたと言えよう。その一方で、近年公表された国産集成材に対する需要の動向2)や未だに見られる関連業界のスギの全般的な強度性能に対する懐疑的な見方を考慮すれば、今後、この種の集成材が市民権を得るための道のりは必ずしも容易とは言えない。このような状況から、今後の展開としては、実用を想定した各種のデータ蓄積やそれらをベースとした関連業界等への積極的なプロモーションが大変重要となろう。